第49回日本腎臓学会東部学術大会

大会長挨拶

第49回日本腎臓学会東部学術大会
大会長 乳原 善文
虎の門病院腎センター内科・リウマチ膠原病内科部長

 このたび、第49回日本腎臓学会東部学術大会を2019年10月4日(金曜日)、5日(土曜日)に、虎ノ門ヒルズフォーラムにおいて開催させていただきます。
 大会テーマは、「目前に悩む患者の中に明日の腎臓内科学教科書の中身があるー君の症例は腎臓学の進歩に寄与する最初の一例である」といたしました。
 虎の門病院腎センターは故沖中重雄院長の誘いで昭和37年7月に赴任された故三村信英先生により始まりました。最初の課題は末期腎不全で来院した17歳少年でした。当時の教科書によると末期腎不全は死を意味する悪性疾患を意味しました。何とかこの患者を助けたいという思いから昭和38年1月腹膜灌流法による透析療法を考案しました。これが本邦における透析の歴史の始まりであり,以後透析療法は進化を続け現在では33万人がこの恩恵を受けています。まさしく沖中先生の精神『目前に悩む患者の中に明日の教科書の中身がある』を三村先生は実行されました。これは虎の門病院で職を得た多くの医師の心のバイブルでもあり目前の患者に全力を傾け,得た結果は学会発表のみならず英語論文に仕上げることで必然的に医学の教科書になることを示している名言ではありますが,一方で医学者が科学者になりうる事も示しています。この精神は腎臓内科医なら誰しもが目標とするマインドでもあります。今回の学会では過去に目前の一例から端を発して現在では当たり前になっている病態の構築に至ったその最初の一例を紹介して頂くセッションを設けるとともに,若い医師には現在目前に悩んだ症例を発表して頂き英語論文作成への進捗状況を報告して頂き,座長はeditorであり,聴衆の皆様は審査員(reviewer)になったつもりで議論に参加して頂くそんな学会に仕上げたいと思います。ANCA関連腎炎や各種の腎炎は永遠のトピックスではありますが,最近ではTAFRO症候群,免疫チェック阻害剤を中心とした分子標的薬による腎障害は腎臓内科医が注目している病態ですがいづれも希少疾患であります。一方でCKDの中で断トツの一位を占める糖尿病患者の腎障害は腎生検で組織が確認されると多彩な組織像と病態を示すことがわかり,近年ではDKD(diabetic kidney disease)という名称に変更されつつあります。これを受けてDKDの多彩な腎症を演題として発表して頂くセッションを設けたいと思います。さらに食事療法は腎臓病克服の大切なツールであり腎臓病療養指導士制度ができましたが,彼女ら彼らに指導する食事療法が有効であったそんな一例をぜひご提示ください。子育てをしながらも病棟内で見つけた貴重な一例の発表は大歓迎です。透析クリニックでの一例,腎臓病に興味のある泌尿器医,リウマチ膠原病や血液疾患のみならず他臓器疾患の分野にも多くの腎症が潜んでいます。他科の先生方の中にも腎臓専門医に是非相談したい腎臓合併症を演題として出して頂きたいと願う次第であります。2019年10月4-5日は日本腎臓学会の新たな歴史が始まるそんな学会を星野純一事務局長とともに企画したいと考えます。目前に悩む患者の発表がまず第一歩です。是非演題の登録よろしくお願いします。

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