会長挨拶

第47回東北腎不全研究会
会長 大山 力
弘前大学医学部附属病院長
弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座・教授

 第47回東北腎不全研究会は、開催形式をWEB開催に変更し、本年8月28日(土)・29日(日)に開催させて頂きます。当初は2020年8月22日(土)・23日(日)に弘前文化センターにおいて開催の予定でございましたが、新型コロナ感染症のために1年延期させて頂きました。しかしながら、透析医療ご担当の医療従事者を対象にした学術集会を従来の集合型で実施することは困難であると判断致しました。どうぞご理解のほど宜しくお願い致します。
 さて、前回、当講座が本研究会を担当させて頂きましたのは、2013年8月開催の第40回でございました。当時はまだ東日本大震災の影響も色濃く残っておりまして、研究会のテーマも「震災を超え、腎不全医療の未来を考える」でした。早いもので、あれから8年が経過しようとしています。今回は新型コロナウイルスが猛威を振るい、令和2年度の診療報酬改定が腎不全医療に大きな影響を与えている状況下での開催となります。
 今回のテーマは「腎不全医療を支えるOur Team」とさせて頂きました。新型コロナウイルス感染症への対応は喫緊の課題です。この未曽有の感染症に対応するには、万全のチームワークに裏付けされた医療チームの確立が必須です。また、依然として医師の大都市圏集中の傾向は変わらず、私達の診療圏における透析医不足は深刻です。透析医療の質を保持しながら、医師の働き方改革にも対応しなければなりません。また、腎代替療法の3本柱である、血液透析、腹膜透析、腎移植をバランスよく提供していくことも求められています。そのためにはチーム医療、ワークシェア、タスクシフト、遠隔診療などのキーワードを円滑に日常診療に組み込んでいく作業が必要となるでしょう。また、予防医学的見地から、腎不全を作らないための積極的介入も必要でしょう。これまで以上にプライマリーケア医、糖尿病担当医、腎臓内科医、泌尿器科医などの多診療科間の連携と協力が必要です。さらに、看護師、薬剤師、臨床工学士、作業療法士、運動療法士、放射線技師、検査技師、ソーシャルワーカー、事務系スタッフなど多職種間のこれまで以上に密接な連携と協力も必要です。
 人類の歴史は感染症との闘いの歴史と言っても過言ではありません。新型コロナウイルスをはじめ、これからも新規感染症の脅威は絶えることはありません。免疫力に問題のある腎不全の患者さんに特化した感染症対策も今回の研究会の重要なテーマとさせて頂きます。
 皆様ご自身の「Our Team」の創意工夫を披露しあい、知恵を出し合い、討論し合うことで東北の腎不全医療をさらに発展、充実させていきたいと思います。
 「Our Team Can Do It」でいきましょう。

2021年01月29日